残憶記

どう過ごしたか記憶が残らない日々を過ごしているわたしが、何かをしていたことを少しでも記録するブログ。

2013-01-01から1年間の記事一覧

遠藤乾『統合の終焉』

遠藤乾『統合の終焉』(岩波書店、2013年4月)を読みました。 インパクトのあるタイトルで棚に呼び込まれるように近づき手に取った本書。 第二次大戦後のヨーロッパ統合は、単線的にEUを形成していく過程ではなく、ソ連と接し(西)ドイツを抱え、アメリカに…

宮下奈都『メロディ・フェア』

宮下奈都『メロディ・フェア』(ポプラ文庫、2013年4月)読みました。友人に紹介できる小説を探しているなかで手に取ったのが本書。 この著者の作品は2冊目です。終始、軽やかに語られた作品でした。 主人公結乃のゆるやかだけど、確かな成長を作中で感じら…

辻村深月『ツナグ』

辻村深月『ツナグ』(新潮文庫、2012年)読みました。死者との邂逅。辻村深月らしからぬ設定であり、映画化とか売れているとかで、 避けていた作品。結局読みました。 さすが、辻村深月。 それぞれの心得ごとに心を揺さぶられましたが、 後半に行くにつれ、…

辻村深月『V.T.R』

辻村深月『V.T.R』読みました。なるほど。チヨダコーキ。 スロウハイツの中でもよく言われていた、 「いつか抜ける」が感じられました。 感じさせてしまう作者、ホントすごいです。 どこか牧歌的でした。最後の最後まで切迫感を感じませんでした。 ティーの…

上橋菜穂子『獣の奏者 Ⅲ探究編&Ⅳ完結編』

上橋菜穂子『獣の奏者 Ⅲ探究編&Ⅳ完結編』読みました!いやあ、いつの間にかエリンに追い抜かれていました。 エリンにもイアルにも、もっと普通に幸せになってほしかった。 二人とも直接その身をもって歴史の真実にぶつかり、ベールを剥ぎとっていましたが、…

辻村深月『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ』

辻村深月『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ』(講談社文庫、2012年4月)を読みました。慟哭の書ですね。どうしようもないリアリティ。救うに救える余地を全く残さない、作者の徹底さにやられました。 ラストにもやられました。自ら招いたことでもあるが、何か他の意…

米澤穂信『二人の距離の概算』

米澤穂信『二人の距離の概算』(角川文庫、2012年6月)を読みました。 古典部シリーズの最新刊、ずっと積んでました。読むのが遅くなってすみません。 私、日常系のアニメはあまり得意ではないのですが、いわゆる日常の謎は好きなんですよ。全く違うものを並…

宇野常寛『日本文化の論点』

宇野常寛『日本文化の論点』(ちくま新書、2013年3月)を読みました。現代のサブカルチャーを鮮やかに論説してきた著者の最新作です。 ソーシャルメディアと直接のコミュニケーションが新たなコミュニティーを創り、 それをインフラとして成立する夜の世界の…

大澤真幸『生権力の思想』

大澤真幸『生権力の思想』(ちくま新書、2013年2月)を読み終えました。難しい本を手にしてしまった。 抽象化、普遍化していった第三者の審級が、その自己の持つ論理の帰結として、普遍化しえないものへと到達することによって、 不在が審級として機能し、結…

花咲くいろは

花咲くいろは、見ました!!!!! すごいです!傑作ですね! 喜翆荘のような旅館に泊まってみたくなりました! すぐ検索しちゃいました!やはり聖地がありました! モデルとなった旅館はなくなってしまっていましたが、 再現のされ具合に、取材先へのP.A.WO…

内田樹・岡田斗司夫『評価と贈与の経済学』

内田樹・岡田斗司夫『評価と贈与の経済学』(徳間書店、2013年2月)を読みました。 本の内容の評価とは別に、なぜ買ったのか自分に対して不思議です。 強いて言えば、ジャケットに惹かれた、とか?内容としては、興味深かったです。 岡田斗司夫はいろいろなこ…

小山慶太『科学史人物事典』

小山慶太『科学史人物事典』(中公新書、2013年2月)を読みました。近代以降の科学者列伝です! 科学の進歩が脈々と続く科学者たちの交流のなかで生み出されてきたことがよくわかります。 私のお気に入りは、ラザフォード。恰幅がよく骨太感あふれる感じがと…

LAST EXILE & 銀翼のファム

LAST EXILE と続編の銀翼のファム、一気にみました! 前作は意外に昔に放送された作品でしたが、映像、厚みのあるストーリーで2クールを長く感じさせなかった作品です。 グランドストリームを超えたクラウスとラビィの絆に感動しました。ディーオが少しずつ…

true tears

true tears 見ました! リアルタイムで見て以来、2回目です。じべた・・・ 登場人物全員が迷いながら自分を見つけるためにあがいている、見ていて苦しい作品です。 比呂美は、ひとりの少女として、本当に細やかな感情描写がされていました。 おばさんも最後…

魔法少女まどかマギカ

魔法少女まどかマギカを見ました。ずーと見る機会を作れずにいましたが、ようやく見させていただきました。 いわゆるセカイ系的と言えるようなストーリーでしたが、 なぜセカイ系となってしまったかまでをストーリーに織りこんでいたところに、 創り込みのう…

ふたたび、何かを書くにあたって

最近、小説を読んでおりません。 好きな作家の作品は買いますが、積んだままです。 では何を読んでいるかというと、思想や歴史の書物です。 これからはそちらへの感想等もちょっとずつですが、 書いていこうと思います。またアニメは冬場によく見ます。 これ…

杉田敦『政治的思考』

杉田敦『政治的思考』(岩波新書、2013年1月)を読みました。難しい語句で語ることが容易い政治を平易な言葉で叙述した本作。 政治学の研究成果を説明することに注力する政治学の教科書ではなく、 政治という営みの見方を考える思考枠組みを提供する書である。…

ごぶさたです

帰ってきてみました。約一年です。 一年も経つといろいろと反省すべきことがあるもので、 このブログを書き続けなかったことは、そのひとつです。たまに文章を書くようにしないと以下の点に不具合が生じます。 ①文章における助詞の使用法 ②発言時の論理構成 …