残憶記

どう過ごしたか記憶が残らない日々を過ごしているわたしが、何かをしていたことを少しでも記録するブログ。

2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

太宰治『グッド・バイ/ヴィヨンの妻』

太宰治『グッド・バイ/ヴィヨンの妻』(1998年、6月)を読みました。太宰を読むのは、3年ぶりです。収録作は「パンドラの匣」「トカトントン」「眉山」「ヴィヨンの妻」「グッド・バイ」です。 どれも面白かったですが、ヴィヨンの妻が太宰らしい気がしまし…

野尻抱介『ヴェイスの盲点 クレギオン1』

野尻抱介『ヴェイスの盲点 クレギオン1』(ハヤカワ文庫、2003年11月)を読みました。少し前に、たて続けに読んでいた野尻抱介さんの出世シリーズです。社長のロイドがかわいらしいおじさんです。 それを支えるマージは、場違いっぽいキャラですが、なんか…

星新一『ボッコちゃん』

星新一『ボッコちゃん』(新潮文庫、1971年5月)を読みました。何といいますか、悪意というか毒気がちょっとだけ顔を出す作品が多くありました。 あと泥棒ものの多さ。ただの勧善懲悪なんかには絶対にしない作者の皮肉加減が妙に気に入りました。少し時間を…

新井素子『チグリスとユーフラテス』

新井素子『チグリスとユーフラテス』(集英社文庫、上下巻、2002年5月)を読みました。上巻は無常感、虚無感、絶望感が前面に出ていたような感じでしたが、灯が出てくる下巻からは趣がガラっと変わりましたね。 生まれ、そして残されてしまったルナが存在の…

野尻抱介『沈黙のフライバイ』

野尻抱介『沈黙のフライバイ』(ハヤカワ文庫、2007年)を読みました。短編集です。 気に入ったのは、「沈黙のフライバイ」と「大風呂敷と蜘蛛の糸」「沈黙の〜」は、なにか寂しかったです。最後には雄弁なほどのデータを送ってきたものの、結果として本文に…

桐野夏生『グロテスク』

桐野夏生『グロテスク』(文春文庫、上下巻、2006年9月)を読みました。「怪物」的な何かは女性に秘められたものなのでしょうか。登場した女性がそれぞれの怪物へと変わっていくなかで、「怪物」的何かは、男性にも存在しえるように見えますが、女性の方が強く…